TOP MESSAGE

代表取締役社長 榎屋 幸生

株主の皆様におかれましては、日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
私ども株式会社ファイズは、東京証券取引所の承認を受け、2018年12月18日をもちまして、東京証券取引所市場第一部銘柄に指定されることとなりました。設立から約5年、マザーズ上場から2年弱という非常に短期間での一部指定承認となります。これもひとえに、株主をはじめとするステークホルダーの皆様のご支援、ご指導によるものと、心より感謝申し上げる次第でございます。
当社は、急速に拡大するEC企業を対象に、3PL(サードパーティロジスティクス)を武器にソリューションを提供する企業として、国内No.1カンパニーを目指して積極的な成長投資による経営基盤強化を推し進めております。激動する物流業界にあって、自らの力で成長を持続し、新たな業界スタンダードを自らの力で創出する取り組みに挑戦してまいります。
株主の皆様におかれましては、引き続き当社の果敢な挑戦にご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

事業環境の大きな変化に対応し、当社は積極的な成長投資を行い、
中長期的な成長の実現を目指します。

当上期の業績はいかがですか。

積極的な成長投資が利益面に大きく影響し、増収ながらも減益となりました。

当上期は、引き続き着実な事業拡大が進み、売上高は前年同期比20.1%増となり増収トレンドを確保しております。オペレーションサービスとロジスティクスサービスは、小売業界のEC化率伸長を受けて既存顧客との取引拡大に加え、新規顧客の獲得も進み、順調に拡大しました。また、デリバリーサービスの売上高は、前期に引き続き大幅に伸長しており、前年同期比約2.4倍となりました。
しかしながら、営業利益は前年同期比28.1%減となりました。これは、物流業界の大きな変化に対応した“成長投資”が主な要因です(詳しくは後述)。

今後の成長に向けた基本戦略を教えてください。

社内外における激変する経営環境に対応し、積極的な変革を推し進めてまいります。

現在、当社の内外では大きなステージの変化が起こりつつあります。この変化に対応し、積極的な自己変革を推し進めていくために、当社は当期以降、“積極的な成長投資”を果敢に実行してまいります。
成長投資の第一の対象は、内の変化への対応です。設立以来、顧客基盤や取引量を順調に拡大してきた結果、将来的に求められる業務量に対して、これまでと同等以上の高い業務品質を保ちながら一連の物流関連ソリューションを提供していくためには、現在の経営体制のままでは近い将来に立ち行かなくなることが予想されます。こうした内の変化を受けて、次のステージの経営体制、すなわち“売上高100億円超の事業規模”に対応した経営体制の構築を推し進めていくことが必要不可欠であると考えております。
成長投資の第二の対象は、外の変化への対応です。現在、当社を取り巻く事業環境は激変の時代を迎えています。EC市場はこれまで同様にこれからも拡大成長が見込まれる中、物流形態はますます小口・多頻度化の傾向が強まっています。しかしながら、物流の担い手であるトラックドライバーは人手不足の状況が続き、高齢化も進行しています。加えて、トラック運送事業者の99.9%が中小零細であり、その半分近くが経営難に陥るなど厳しい状況にあります。このような状況が続けば、やがて物流業界は立ち行かなくなります。これを打開するためにも、非力ではありますが当社自らが未来の物流業界のために“新スタンダード創出”を果たしていこうという決意を持ち、これに挑戦してまいります。

売上高100億円超の事業規模に対応した経営体制の構築と、
物流業界の新スタンダード創出に向けた挑戦を推し進めます。

今後の戦略としてまず、「経営体制構築」に向けた取り組みについて教えてください。

最も重要な経営資源である人材について、多様なマンパワー強化策を展開してまいります。

「売上高100億円超の事業規模に対応した経営体制構築」への取り組みとしては、主に、今後の多様な物流ニーズに応えていくために必要不可欠な人材基盤の強化を、総合的な視点から行ってまいります。
第一に、“即戦力”や“業務マネジメント力”等の強化を目的に、管理職を積極的に採用します。第二に、“未来の幹部候補生を集める”という視点をもって、新卒・インターン採用による若手社員の採用も積極化してまいります。第三にこうした中途・新卒採用者の増加に対応して、「ファイズカレッジ」と名付けた独自の教育・研修制度について、社内研修だけでなく社外研修も加え、更なる内容の充実・強化を図ってまいります。また、社員の帰属意識やモチベーションの向上につなげるべく、独自の福利厚生制度を考案・導入しております。たとえば、当期は、稼働分の給与を前払いするサービス「Payme」、働くたびにポイントが貯まる「ファイズポイントプログラム」(PPP)等の導入を行っております。
さらに、取引量の急速な拡大にも対応できるよう、外部の協力ネットワークの拡充にも注力しております。

次に、「新スタンダード創出」に向けた取り組みについて教えてください。

業界の仕組みを変革するシステムの開発をはじめ、多様な取り組みに挑戦しております。

激動の物流業界における新スタンダード創出に向けた挑戦の経営として、現在、様々な取り組みを行っております。その一部となりますが、次の2つを紹介します。
一つめは、業界の仕組みを変革する可能性を秘めた「ハイブリッド型の配車最適化システム」です。下図の通り、自社車両に加え、パートナー車両を多数の荷主と最適な形で結びつけるシステムの構築により、増加の一途を辿る小口・多頻度配送ニーズに応えてまいります。
二つめは「コーポレート・ブランディング」の取り組みです。ECソリューションのNo.1カンパニーにふさわしいブランド力を構築するべく、人材力や業務品質だけでなく、企業イメージも重視していきたいと考えております。現在は、「Good Buddy, Good Job」(いい仲間。いい仕事。)という統一キャッチフレーズのもとで様々な情報発信を行っております。
“未来のあたりまえ”の創造に挑むファイズの経営に、引き続きご支援をお願いいたします。